黒尊川流域担当の高濱です。
今日は黒尊川が四万十川に合流する、口屋内地域でのお話。
以前、6月にご紹介した「四万十川でウナギの延縄漁を体験!」の記事はけっこうたくさんの方に読まれているみたいなので、今回はツガニ漁に同行させてもらいました!
町で暮らしていたらなかなかできない体験ですが、川と暮らしがとても密接な西土佐では、エビやツガニ、ウナギ、アユなどの川漁はとても身近です(エビ以外は漁業権が必要です)
朝6時すぎ、朝もやのかかる山を眠い目で見上げつつ、出航。
ウナギの時ほどではありませんが、早起きです。
口屋内大橋を川舟に乗って真下から見上げることができるのも、川漁に出る人の特権ですね。
連れて行ってくれたのは前回と同じ、口屋内のユキトシさんと、お弟子のチハルさん。
つけてあった蟹籠を引き上げます。
たくさん獲れているかどうかは引き上るときの重さで大体わかるようで、カニたちの姿が見えてくるより前に「お、ようけおる~」とか「これはおらんなぁ」なんて言葉が出てくるチハルさんも漁師だなぁなんて思いながら私は見ていました。はい、私は見ていただけです!
不安定な船の上で本当によく動けるなぁ。座ったままで写真を撮るだけの私なんかは思うわけです。
餌はこんな豪快な感じにお頭をぶらさげてある籠も。
この蟹籠、よく見るとあちこち修繕のあとがあります。蟹がチョキチョキ切ってしまうそうで、空いた穴から脱走を図るやつも! 船の上で大捕り物がはじまります(笑)
捕らわれたツガニ。どことなく不満そうです。
蟹籠を開ける手つきや動きが一緒の息ぴったりな師弟。
おん(雄)とめん(雌)を一緒に入れておくと共食いをはじめてしまうそうで、ユキトシさんが手早く分けていました。雌雄の見分けはひっくり返したらすぐにわかります。
オスとメス、どっちが食べられてしまうほうなんですか?と聞いたら、ユキトシさん苦笑いしながら「おん」と一言。どこの世界でも女は強いんだな~!!なんて私とチハルさんは大笑い。
お腹が見えないとどっちが雄か雌かわかりませんね。
こんなにいっぱい獲れても、今はツガニが多すぎて漁協で出荷制限されてしまうそう。自然相手の仕事の難しさを感じます。獲れすぎても獲れなさすぎてもいけない。
当然、天候にも左右されます。先日の台風で被害に遭われた方が川漁をされていた方だと聞き、身近にある川がとても恐ろしいものに思えて不安にかられました。
穏やかな川も濁流の川も、いろんな川の表情を見ることになるのも、ここに暮らしているからで。美しかったり恐ろしかったり。
それでも川が近くにあるここの暮らしが好きだな、と思うのです。
亡くなられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。