四万十市地域おこし協力隊四万十市地域おこし協力隊

2017年12月20日
四万十川でアユの火振り漁(ふちまき)を体験!

黒尊川流域担当の高濱です。

かってに川漁シリーズ。ずいぶんと間が空いてしまいましたが、四万十川といえばやっぱり「アユ」は外せません!
これまでのシリーズ↓

四万十川でツガニ漁を体験!

四万十川でウナギの延縄漁を体験!

10月某日、四万十川と黒尊川の交差する地域「口屋内」で「火振り漁(ふちまき)」を体験させていただきました。体験といっても例によって私はただ舟に乗ってカメラを構えていただけです。

午後6時。
口屋内沈下橋のたもとに行くと、4艘が漁に出る準備をしていました。
舟 (2)
舟 (3)

私が乗せていただいたのは、クニヒロさんの舟↓

舟 (1)
物干し竿みたいなものに(というか物干し竿でした)下がっているのが漁に使う網です。

いい感じに陽が暮れてきたころ、出航です。
舟を操縦する様がカッコイイ!

舟の操縦1

まずは順番を決めるくじ引き。
地域によっていろんな決め方があるようですが、口屋内では石の裏に数字を書いたものを使います。
やり方は説明してもらったのですが、ちゃんと理解できているのかあやしいのでここでは割愛します。
このくじによって鮎のとれる量が決まってくるので、ドキドキしながらクニヒロさんの舟の分を代わりに引かせてもらいました。どうやら引きは良かった様子。

くじに使った石

くじに使った石

順番が決まったら、それぞれの持ち場へ。
鮎を驚かさないように、静かに漕いでいきます。
舟の操縦2

後ろにいる人が舟を漕ぎ、前の人が網を入れていきます。
ふちまきは一人ではできません。必ず二人が舟の進み具合と網入れのスピードを、呼吸を合わせながら行っていきます。
明かりがなく真っ暗な中、舟を進ませる技術も驚きしかありません。
網を入れていくときはカメラのフラッシュはNGだったので、残念ながら写真はなし。

暗闇の中、網についた重りが水面に滑り落ちていく、シャラシャラシャラ…という途切れることのない音だけが聞こえてきます。
夜空を見上げると、満天の星。
私の住んでいる奥屋内も星は驚くほどきれいに見えますが、川の上で見る星空はとても広くて、とても特別で贅沢な時間をすごしている気分になりました。

左に見える緑っぽい光が網の目印

左奥に見える緑っぽい光が網の目印

網を入れ終わると、川の両端に、網の端っこの目印につけている灯がちらちらと光っていて綺麗です。

水面をたたく

下流側へ移動し、今度は長い竿を持って水面を叩きながら上流へ舟を進ませていきます。
ライト
火振り漁との名前のとおり、昔は火を吊り下げたものを振って鮎を追い込んでいたそうですが、今はこんな便利なライトを使います。
伝統漁法の「火振り漁」は今は観光資源のひとつとして、観光客の見物の受け入れをされているところもあるようです。

10月とはいえ、ライトには虫がたくさん群がります。

10月とはいえ、ライトには虫がたくさん群がります。

網を引き上げるてっちゃん(通称)

網を引き上げるてっちゃん(通称)

網をあげるときは絡まないようにちゃんと手順があるようです。手慣れた様子でどんどん上がっていきます。鮎がたくさんかかっているととても重そう。

鮎がたくさんとれてこの笑顔

鮎がとれてこの笑顔

大漁 (2)

クニヒロさんの舟はこの日一番の大漁でした。
くじ引きの結果は大丈夫だったようです!よかった!

たくさん獲れたら当然、網から鮎を一匹ずつ外していく作業も時間がかかります。
早く終わった人はほかの舟のヘルプも。
私も外す作業をすこし手伝わせてもらいました。鮎は滑るし網は絡まっているし、慣れるまではなかなか大変です。2回の漁を終え、すべて終了したのは23時頃でした。

口屋内の川漁師さんも高齢化されていて、この先この光景は見られなくなるのかもしれません。若い人に受け継いでもらいたいという思いはあるけれど、川漁だけでは食べていけないのも現実。
何度か川漁に連れていっていただいて、この景色を好きだなぁと思ったので、今はまだ私にできることが何かはわかりませんが、未来につなが
る方法を探していきたいです。

ご夫婦での川漁は息もピッタリ

ご夫婦で川漁