富山地区担当の原田です。
3月に紹介したくさあみ会でのふご作り、ついに完成しました!
前回記事はこちら「くさあみ会」
宿題で持ち帰った畚(ふご)は編みはじめと編み終わりをつなげて筒状になったところで、最後の仕上げを習いに師匠の元へ。
前回教わったたつ子さんは田植えでご多忙のため、ひできさんに習いに行きました!
今回は、復習のため、自力で作った分と合わせて、全工程を紹介します。
ふちの芯になる藁は先端を輪っかにします。
わっか部分は藁の真ん中で4撚(よ)りほどして半分におり、残りを撚(よ)り合わせて作ります。
この時、初めの4撚(よ)りと残りの撚(よ)りは逆向きにします。
ここで縄綯(なわな)いの基礎力が問われますね。
輪っかは小さく、均一の太さで綯(な)い上げて、ふちの円周と底までの高さ分の長さが出来たところでふご編みに取り掛かります。
この写真はたつ子先生にダメ出しをされた失敗作。
輪っかが大きく綯(な)いも不均一で格好悪いとのこと。。。
藁を編む紐は編みたい畚(ふご)の円周の3倍の長さで用意します。
大体3段で編むので、3本。
紐の真ん中がコマセにかかるように、両端からツチノコに巻き付けていきます。
コマセに付けておいた溝にかけ、先ほどの縄は輪っかを奥に置き、コマセに対し垂直に手前方向に垂らします。
藁は縄を挟むように折り曲げてコマセの上に置き、紐で編み進めて行きます。
初めの1本目の藁は紐を3つとも編み、次からは2本目と3本目を交互に飛ばして、丈夫な網目にしていきます。
編まれていった畚(ふご)は奥に垂れていき、反対から見ると、こうなります。
これが扇型だと、口の広がった畚(ふご)に、真っすぐだと垂直の畚(ふご)に仕上がっていきます。
十分な長さまで編んだら、3本の紐をきつめに1度かた結びし、縄を初めの輪っかに通し、筒状になるように紐で結んでいきます。
コマセで編んだとこまでが側面になるので、最後の横糸部分はこの段階で折り目を付け底面の下準備をします。
底になる部分は2束を1束に、手で編み上げ、底面が広いようならさらにもう1巡、3束分を1束に編み上げ、すぼめます。
藁の先を内側に織り込み、籠状にします。
余分な藁を切り、中心に向け押し寄せて形を整えます。
まずは外側、こちらは真ん中にシッカリと寄せ集めて底が開かないように編み上げます。
時計で例えたら、12時から6時へ、7時から出して1時へ、2時から出して8時へという感じで対面を結んで寄せ合います。
この時に出番になるのがこのかぎ針!
外側は完成しました!
内側は、寄せ集まって余分な藁が嵩張(かさば)っているので、再度切り取り、なるべく平らになるように抑えつけながら編みます。
これはひでき先生のお手本、見事なネット状に編み上げています。
先生からのアドバイスは「見よう見まね、適当よ!」
これができたら完成!
自力で作った4作目の畚(ふご)は広がり口のかたちになりました。
前作が入る大きさにしましたが、形が違いすぎてスマートな入れ子型にはならず。。。
それでも最初からすべての工程を覚えて作った1作となり、大満足です!
協力隊の活動として色々な手仕事を習う事ができました。
習いながら感じたのは、先生たちもすべてを理解しているわけでもないということ。
先代の1作をお手本に見ながら、自分の使い勝手のいいように少しずつ試行錯誤を重ねながら作ってきた、ということを知りました。
同じ原理で炭俵や米俵、背中に担ぐリュック状の物なども作られていたようですが、今道具として現役で使われているのは、芋やかぼちゃを運ぶ畚(ふご)。
この畚(ふご)に布の取っ手を付け、棒の両端に担ぐなどするそうです。
くさあみ会に参加した若い衆たちは、野菜や果物入れとして炊事場で使おうかなと言っています。
私は洗濯ばさみやハンガーを入れておくバスケットにしています。
用途に合わせて少しずつまた形を変えて、後世に伝えられたら素敵だなと思いました。
資料として残る文化でなく、実生活で生きる現役の文化として残って欲しいです。