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2022年5月27日
【空き家リフォームの考え方vol.2】物件調査の方法

投稿者:土居佑志 投稿日:2022年5月28日

こんにちは。

空き家担当の土居です。

物件調査の方法では、調査箇所や見るポイントについて紹介させていただきます。

 

物件調査の重要なポイントは、「雨漏りの有無と原因、修繕のコスト」、「傾きの有無と原因、修繕のコスト」及び「給排水管漏水」です。

物件調査箇所とチェックポイント

 

【全 体】

① 全体の「気」

 

【建物外】

② 屋 根

 綺麗か、ズレていないか、割れていないか、新しい部分はないか

③ 外壁・基礎

 クラックはないか、浮きはないか、新しい部分はないか

 

④ 排水設備

 排水されているか、湿気はないか

 

【建物内】

⑤ 建物内

 傾きはないか、雨漏りはないか、白蟻被害はないか、新しい部分はないか

 

 それでは、説明していきます。

① 全体の「気」

 敷地全体の「気」、建物に入った瞬間の「気」を感じる。

 「かび臭い、湿気が多い、どぶ臭い、暗い雰囲気」が「配水管の破れ、風通し、設計の問題、施工不良、住んでいた人の建物への愛着等」建物の特性となって現れる。

② 屋 根

 屋根は綺麗か、ズレていないか、割れていないか、新しい部分はないかを調査する。

 屋根の修理はDIYでは危険なため、違和感のあるものには手を出さない方が無難

 屋根の棟(頂上)や軒下、全体的なひずみなどで不同沈下がわかる。

 ずれたり割れたりした瓦は早めの交換が必要

③ 外壁・基礎

 クラックはないか、浮きはないか、劣化(塗装等)はないか、新しい部分はないか

 クラックは漏水のもとになり、腐朽や白蟻被害の原因になる。じっくり見ればわかる。

④ 給排水設備

 排水されているか、漏水はないか、湿気はないか

・雨水が排水されているか→排水テスト

・雨水や地下水が床下に来ていないか→雨の日、雨上がりに確認

・排水管が破損していないか→床にカビがある場合は要注意

・給水管が破損していないか→メーターで確認

・補修跡がある場合は、補修で不具合が治まっているのか点検する。

⑤ 建物内

 傾きはないか、雨漏りはないか、白蟻被害はないか、新しい部分はないか

 

■ 傾 き

 扉や窓を開閉する。

 スムーズに動かない場合は、隙間の有無、開閉で抵抗のある部分を確認する。

 床の傾きは、レーザー照準器または水準器を使用して、その程度を計測する。

 建物に傾きがあった場合、なぜそうなったのか原因を考える。対策がないと同じ結果を招く。

 継ぎ足しの補修をする場合は、完全に水平にすると窓や壁の傾きが目立つことがある。既存の窓や壁の傾きとのバランスを考える。

■ 雨漏り

 天井裏から点検する。

 屋根裏で湿っているところがないか全体を点検し、屋根裏の状態(湿ってないか、獣害はないか)を点検する。

■ 白蟻被害

 蟻道がないか、柱に薬剤を注入した形跡がないかを点検する。

 床を踏んでみて、沈む部分が45cm以上か確認する。

 硬い部分が45cm以下で現われれば、根太はしっかりしていて、湿気等により床材が劣化している可能性が高い。

 硬い部分がなければ、根太も劣化していると見られることから白蟻被害の可能性が高い。

■ 新しい部分はないか

 古い部分を取り換えた、又は覆った理由を考察する。

 新しいものがついているのには理由がある。白蟻、腐朽による交換など。

 なぜ交換したのか、原因は何だったのか、原因への対策はとられているのかを分析する。

 以上が、物件調査の方法となります。

 

 物件の状態を調査することで、「修繕が必要な箇所・原因・コスト」を把握・評価することができます。

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 次回は、市場調査の方法についてご紹介させていただきます。